「みまもり福祉研究所」の設立は、私自身の経験と長年の主張に基づいています。背景には、「みまもり家族制度」の必要性を痛感した出来事がありました。身近な方が配偶者を亡くされ、経済的には安定していたものの、時間が経つにつれて身体の衰えや行動範囲の縮小に直面し、不安と孤独感を感じるようになりました。介護保険制度の恩恵を受けられるのはわずか20%の加入者に過ぎず、健康でありながらもサポートが必要な高齢者が多数存在する現状を目の当たりにしました。
このような状況を鑑みて、22年前に「みまもり家族制度」を提唱しました。高齢者が人生の終盤に不安や孤独を感じず、笑顔で過ごせる社会を目指すことがこの制度の根幹です。高齢者を支援する現場から離れて7年が経過した今、私は自身も高齢期を迎え、この制度の重要性を再認識しています。政府はようやく2024年に「身元保証ガイドライン」を発表しましたが、その対応は遅きに失しており、多くの高齢者が必要なサポートを受けられずに苦しんでいる現状があります。
高齢者の増加に伴い、単身世帯が増え、身元保証や生活支援の需要が高まる中、民間の身元保証サポート事業が注目されています。しかし、監督する省庁や法律がなく、事業の健全性や契約の公正さに課題があります。総務省は厚生労働省や消費者庁、法務省に対し、ガイドラインの策定を求めていますが、現場では既に多くの事業者が不十分な契約手続きや管理体制で運営されています。
「みまもり福祉研究所」は、こうした現状を改善し、高齢者が安心して暮らせる社会を実現するために設立されました。私たちは、単なる身元保証サービスにとどまらず、高齢者の日常生活支援や死後の事務手続きまで包括的にサポートします。これにより、高齢者が孤独や不安を感じることなく、豊かな生活を送ることができるよう努めています。私たちの使命は、高齢者の笑顔を守り、日本の未来を支えることです。