高齢者を支える「みまもり福祉」に期待の声
1. 「みまもり福祉」を提唱した理由
生命保険や介護保険よりもシニアを傍らで支える「みまもり福祉」が必要だと強く感じました。身近な方がご主人を亡くされ、遺族年金と生命保険の受取で経済的には不自由ない生活が送れると思っていました。しかし、現実は異なりました。年を重ねるにつれて車の運転が少しずつ難しくなり、行動範囲が徐々に狭まり、暮らしに変化が現れてきました。
そして、体が思うように動かなくなり始め、病院に通院したりお買い物に出かけたりすることが、自分の足でしっかりと行動できなくなるという不安と苛立ちを感じるようになりました。お金があっても、身近な暮らしの一つ一つの行動がこれまでとは違ってきていることに気づき始めたそうです。そのような方々を家族に代わって暮らしをサポートする支援を始めたのが22年前になります。
2022年3月時点の厚生労働省の調べでは、要支援・要介護者数(約689万5千人)、65歳以上の介護保険被保険者数(約3,589万人)を用いて計算すると、要支援・要介護者の割合は約19.21%となります。
つまり、介護保険加入者で65歳以上の被保険者の20%に満たない方のみその給付の対象となっている現状は、被保険者の80%の方は介護保険の適用を受けずに不安な終の人生を過ごしておられるのです。
区分 | 人数(単位:人) | 割合 |
---|---|---|
介護保険65歳以上の被保険者数 | 35,890,000 | 100.0% |
要支援・要介護者数 | 6,895,735 | 19.21% |
要支援者数 | 1,926,008 | 5.37% |
要支援1 | 974,328 | 2.71% |
要支援2 | 951,680 | 2.65% |
要介護者数 | 4,969,727 | 13.85% |
要介護1 | 1,429,433 | 3.98% |
要介護2 | 1,162,082 | 3.24% |
要介護3 | 917,868 | 2.56% |
要介護4 | 874,305 | 2.44% |
要介護5 | 586,039 | 1.63% |
8割の方が元気に楽しく暮らしているかと言えば、日々の体力の衰えに不安を抱きながら、不自由な暮らしをされて居る方も多く、傍らにいて、暮らしのサポートを必要とされている高齢者の数はかなり多く存在しています。その方々を支える仕組みが求められています。そのような現状から「みまもり福祉」を実現する事業が今こそ全国に必要な時はありません。
高齢者の方々が悔いのない人生の仕上げる大切な時に不安と寂しさから笑顔が消えることがあってはならないのです。この制度がまさしく日本の高齢者の安心と笑顔を取り戻せる事業であることを申し上げたいのです。福祉の現場から離れ7年が経過しましたが、この制度が必要とされる以上は、あるだけの力を振り絞り、みまもり福祉事業を起こそうとされる方がおられれば、北海道であろうと九州であろうと走り続けようと思っております。
2. 介護保険制度の限界
介護保険制度の給付対象は加入者の約20%程度に限られている現状はお話してきました。
具体的な事例として、私の知人である田中さんは、80代半ばに差し掛かり、体力の低下を感じるようになりました。車の運転が徐々に難しくなり、日常の買い物や病院への通院にも不便を感じ始めました。しかし、田中さんは要介護認定を受けるまでの精神身体な支障もなく、介護保険のサポートを受けることができません。この田中さんのように、日常生活に不便を感じながらも介護保険の対象外となる高齢者は少なくありません。
こうした状況で、高齢者が安心して生活できるようにするためには、傍らで支えるサポーターの存在が不可欠です。田中さんの場合、家族が近くに住んでおらず、日常のサポートを受けることが難しいため、
「みまもり福祉」のような仕組みが必要です。健康でありながらも体力の衰えを感じる高齢者に対して、介護保険制度だけでは十分な支援を提供できない現状があるのです。
このように、介護保険制度の限界を補うために、私たちは「みまもり福祉」を提唱し、高齢者が安心して生活できる支援の仕組みを提供していく必要があります。高齢者が孤独や不安を感じずに、笑顔で過ごせる社会の実現を目指して、今後も努力を続けていきます。
暮らしをサポートする事業「みまもり福祉」問合せやまず
最近、知人や友人から、高齢者の暮らしをサポートする事業「みまもり福祉」について詳しく教えてほしいとのお問い合わせやお尋ねを受けるようになりました。高齢化社会が進む中で、高齢者が安心して生活できる環境を整えるためのサポート事業への関心が高まっていることを実感していました。そんなある日、旧知の社会福祉法人の代表者との懇談の機会を得て、是非、身元保証や暮らしのサポートの制度創設の骨組みを詳しくコンサルしてもらえないことの声も飛び出すようなことが起きてまいりました。
そのような中、「みまもり福祉研究所」を設立し、このような関心やニーズに応えるため、高齢者が安心して暮らせる支援の仕組みを提供することに努めています。具体的には、身元保証や日常生活のサポート、死後の事務手続きなど、多岐にわたるサービスのニーズとその実現方法などをお示ししていくこととしました。
これからも、高齢者が笑顔で過ごせる社会の実現を目指し、努力を続けていきます。高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、「みまもり家族制度」のような支援の仕組みが不可欠です。私たちの取り組みが、未来の日本に笑顔をもたらすことを信じてやみません。